【親のいえ相談室#02】親の望む暮らしってなんだろう
父のひとり暮らしが始まったとき、私と姉には心配なことがたくさんありました。
当時70代半ば。それまで家事などしたことのなかった父ですから、
食事はどうする?
身の回りのことは?
一人で寂しくない?
…と心配は尽きませんでした。
かといって同居は現実的ではなく、何より父自身がそれを望んではいませんでした。
私もこうして不動産の仕事に携わってきた経験から、「戸建てよりマンションのほうが安心なのでは?」と、さりげなく住み替えを提案をしてみたこともありました。
でも父は煮えきらない(笑)
時間をかけて少しずつ話していくうちに、この先、歳とともに多少の不便が出てきたとしても、長く暮らしてきたこの家に住み続けたいという父の強い気持ちがよくわかりました。
もちろん、今でも心配がないわけではありません。
でも、いつの間にか炊事も洗濯も掃除もすっかりこなせるようになった父を見て、私も姉も「父がそうしたいのならその気持ちを尊重しよう」と決めました。
子どもから見ると、便利な場所への住み替えや、管理の楽なマンションのほうが「安心」に見えることがあります。
でも、それが親本人にとっても一番幸せな選択とは限らないのだと思います。
親の家について考えるとき、最初に決めるのは
「この家をどうするか?」ではなく、
「これから、どんな暮らしをしたい?」
なのかもしれません。







